記事の要約
TOEICとVERSANTはどちらも英語力テストですが、測れる力が違います。TOEICは「聞く・読む」の土台を共通の物差しで示しやすい一方、VERSANTは「聞いて理解し、すぐ英語で返す」実務に近い運用力を短時間で測れるのが特徴です。管理職が評価や育成に使うなら、TOEICだけで判断せず、VERSANTや実際の業務行動(会議での発話量・即答速度など)をセットで見るとズレが減ります。本記事では、TOEIC VERSANT 違いを整理し、VERSANT 重視 理由と運用の型、最短で伸ばす学習設計までまとめます。
TOEICとVERSANTは何が違う?まずはここだけ押さえる
一文要約:TOEICは「英語の土台(聞く・読む)」、VERSANTは「実務の運用(聞いて話して返す)」を測りやすいテストです。
外資の会議で困るのは、単語や文法を「知っているか」よりも、相手の発言をその場で処理し、短い時間で筋の通った返答を出せるかです。ここにTOEICとVERSANTの性格の違いがあります。TOEIC Listening & Readingは、リスニング約45分・100問、リーディング75分・100問、計200問を約2時間で解く一斉の客観テストです(出典:TOEIC Program/IIBC公式)。一方でVERSANTは、AI採点でスピーキングなどの実践力を測り、スピーキングテストは約20分で完了すると説明されています(出典:Versant公式サイト)。
TOEICは「土台」、VERSANTは「話す・返す力」を見やすい
TOEICは、学習の進捗を数値で追いかけやすく、社内で共通言語にしやすい点が強みです。全員が同じ形式で受けるため、比較もしやすいでしょう。一方、VERSANTは「聞いた直後に話す」「限られた時間で答える」設計のため、会議で求められる処理速度や発話の安定感を可視化しやすいのが特徴です。両者は競合というより、役割分担の関係に近いと言えます。
目的で選ぶ:採用・昇進の目安か、会議・商談の実力か
採用・昇進・異動の一次スクリーニングのように「公平性と分かりやすさ」が最優先なら、TOEICが機能しやすいです。逆に、海外会議での即答、商談での切り返し、プレゼンの質疑など「現場での勝ち筋」に直結させたいなら、VERSANTのほうが弱点が出やすい場面があります。テストは目的に合わせて選び、目的が混ざると評価がブレます。
迷ったらこの順:TOEICで基礎→VERSANTで実務力をチェック
「自分(あるいは部下)が今どこで詰まっているのか」を最短で見分けるなら、まずTOEICで土台を確認し、そのうえでVERSANTで運用力を測るのが分かりやすい順番です。土台が薄いまま運用力だけを鍛えると、伸びが頭打ちになりやすいからです。逆にTOEICだけで満足すると、「点数は高いのに会議で黙る」という典型的なズレが残ります。
TOEICとVERSANTの違いを分かりやすく整理
一文要約:違いは「測る技能」「受験形式」「仕事での使いどころ」に分けると迷いません。
管理職が部下に説明しやすいよう、要点だけに絞って整理します。
どんな力を測る?
TOEIC L&Rは、名前の通りリスニングとリーディングで、インプットの力(聞く・読む)を中心に測ります(出典:TOEIC Program/IIBC公式)。対してVERSANTは、実際のコミュニケーションで必要になる「聞いて理解し、即座に話す」能力を測れる、と公式サイトで説明されています(出典:Versant公式サイト)。もちろん、どちらも単語や文法が不要になるわけではありません。ただ、アウトプットが絡むと「知っている」と「使える」の差が露骨に出ます。
受け方はどう違う?
TOEICは会場での一斉受験が基本で、マークシートで回答します(出典:TOEIC Program/IIBC公式)。緊張や体調の影響はあるものの、運用スキルより“試験対応力”が結果に乗りやすい側面もあります。VERSANTは、スマホやPCで受験でき、AIが自動採点する仕組みが示されています(出典:Versant公式サイト)。時間も短く、スピーキングテストは約20分、公式ガイドでは総時間17分とされています(出典:Pearson公式テストガイド)。忙しい管理職や外資チームでも運用しやすいのが利点です。
また、予算感を揃えるために、公開情報から“1回あたりの受験料”の目安も並べておきます。
| テスト | 形式の例 | 所要時間の目安 | 受験料(目安) |
|---|---|---|---|
| TOEIC L&R(公開テスト) | 会場・マークシート | 約2時間 | 7,810円(税込) |
| Versant English Speaking and Listening Test | スマホ/PC・自動採点 | 約17〜20分 | 6,600円(税込) |
| Versant English Placement Test(4-skills) | スマホ/PC・自動採点 | 公式案内に準拠 | 7,700円(税込) |
※受験料・所要時間は公式サイトの記載に基づきます(TOEIC:IIBC、Versant:versant.jp/Pearson公式ガイド)。
仕事の困りごと別:どっちが役に立つ?
たとえば「資料は読めるが、会議で議論に追いつけない」という人は、読みの強さ(TOEIC)だけでは原因が見えません。話す前段の“処理速度”や、発話の自動化がボトルネックかもしれないからです。一方で「海外メールが遅い」「仕様書が読めない」という人は、まずインプットを底上げしたほうが早いケースが多いでしょう。つまり、困りごとを先に言語化し、それに合う指標を選ぶのが正攻法です。
なぜ今、VERSANTが重視されるの?実務で効く理由
一文要約:VERSANTが重視されるのは、実務で差がつく「処理速度」と「即応性」が数値に表れやすいからです。
グローバル会議で評価されるのは、完璧な英文法よりも「理解→整理→返答」が途切れず回ることです。ここで強いのが、処理の速さと、型を使って話を組み立てる力です。VERSANTは、発話を含む設計でこの差が出やすく、育成にもつなげやすいというメリットがあります。
会議で差がつくのは「処理の速さ」
同じ英語力でも、会議で強い人は返答までの“空白”が短いです。これは、語彙量だけでなく、聞こえた情報をチャンク(意味のかたまり)で捉え、頭の中で要点整理しながら話せているからです。逆に、頭の中で日本語に訳してから英語に戻すと、会議のスピードに置いていかれます。評価で見たいのは、知識量より処理プロセスです。
VERSANTで見えやすいポイント
VERSANTのスコアはGSEに基づき10〜90点のスコアで表示されると公式に説明されています(出典:versant.jp)。数字そのものより、発話を伴うことで「音が拾えているか」「詰まらずに言い切れるか」「言い直しが多いか」といった運用上のクセが出やすい点が重要です。管理職にとっては、“なぜ会議で黙るのか”を本人の根性論にせず、改善ポイントに落とし込めるのが大きいでしょう。
企業で使われやすい背景:短時間で測れて運用しやすい
人事施策で難しいのは「回す」ことです。VERSANTは短時間で受けられると案内されており(出典:versant.jp)、節目ごとに計測→改善→再計測を回しやすいのが強みです。
TOEICはどこで強い?逆に“過信しやすい”ポイント
一文要約:TOEICは比較と土台作りに強い一方、「話せる」の保証にはならない点が落とし穴です。
TOEICは学習の羅針盤として優秀ですが、「話せる」の保証ではない点を理解して使う必要があります。
TOEICが便利なのは「共通の物差し」だから
TOEIC L&Rは、聞く・読むを測る共通試験として幅広く活用されていることが公式ページでも示されています(出典:TOEIC Program/IIBC公式)。共通の物差しがあると、社内での比較、研修の効果測定、採用基準の説明がしやすくなります。特に、英語に苦手意識がある層には「何をやれば点が上がるか」が見えやすく、学習のとっかかりにもなります。
落とし穴:点数は高いのに会議で黙る、が起きやすい理由
TOEICが高くても会議で黙る人が出るのは、テストが悪いからではありません。測っている技能が違うからです。会議では、聞き取りの処理速度、発話のテンプレ、言い換え、要点整理が同時に要求されます。TOEICで身につくインプットの土台があっても、アウトプットの回路が鍛えられていないと、口が止まります。本人は「知っているのに出てこない」と感じ、自己評価が下がりやすい点にも注意が必要です。
評価でズレないコツ:スコア+業務行動で見る
ズレを減らす一番の近道は、スコアだけで判断しないことです。たとえば会議なら「最初の10分で1回発言できたか」「質問への返答にかかった秒数」「議論の要点を30秒でまとめられたか」のように、行動で評価します。スコアは“可能性の範囲”を示し、業務行動は“実際の再現”を示します。両方を組み合わせると、納得感のある評価になります。

スコアの見方|換算は参考程度、目標は“仕事ベース”で決める
一文要約:換算表に飛びつくより、「仕事で何をできるようにするか」を先に決めるのが正解です。
換算表は便利ですが、数字が一人歩きすると学習が“点取り”に戻ります。先に決めるべきは業務の期待値です。
スコアの仕組み
TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの合計で評価され、テスト形式と構成が公式に公開されています(出典:TOEIC Program/IIBC公式)。VERSANTはGSEに基づく10〜90点スケールで示されるとされています(出典:versant.jp)。ただし、両者は測定設計が違うため、同じ「700点」「60点」といった数字でも、実際にできることが一致するとは限りません。
換算表の注意点:同じ数字でも「できること」は一致しない
換算表は、あくまで統計的な目安です。個人の得意不得意(読むのは強いが話すのは弱い、など)は平均から外れます。だから「TOEIC○点だから会議も大丈夫」と決めつけるのは危険です。逆に、VERSANTが伸びないからといって基礎が不要という意味でもありません。評価の目的に合わせて、指標の使い方を設計する必要があります。
目標の立て方:海外会議・商談・プレゼンで分けて考える
目標は、場面で分けると具体的になります。海外会議なら「質問を受けてから10秒以内に返す」「議論の要点を30秒でまとめる」。商談なら「条件提示・譲歩・断りの言い回しを型で言える」。プレゼンなら「想定QAを20問つくり、2分以内に答えられる」。この“業務ベースの目標”に、TOEICとVERSANTを紐づけていくと、テストが学習の味方になります。
管理職向け|評価と育成に落とす“運用の型”を作る
一文要約:評価はTOEICとVERSANTだけで完結させず、業務行動を加えた3点セットで回すと現場に定着します。
管理職が一番困るのは、「研修をやったのに現場が変わらない」という状態です。指標を増やすことが目的ではなく、現場の行動が変わるように設計することが目的です。
3点セットで見る:TOEIC(基礎)+VERSANT(運用)+業務行動(実践)
おすすめは3点セットです。TOEICで土台の伸びを確認し、VERSANTで会議に近い運用力の変化を見ます。そして最後に、実際の会議や商談での行動を確認します。たとえば「発言回数」「聞き返し回数」「結論を先に言えるか」など、観察できる指標に落とします。これなら、本人も上司も“伸びている実感”を共有しやすくなります。
半年〜1年の進め方:測る→弱点を分ける→鍛える→また測る
運用の基本は、測る→弱点を分ける→鍛える→また測る、です。これを回すと、学習が迷子になりにくいです。逆に、教材を頻繁に乗り換えると、改善の因果が追えなくなります。
現場で回る仕組み:受験タイミングと振り返りの質問テンプレ
おすすめの受験タイミングは、期初→中間→期末のように業務サイクルに合わせることです。さらに、テスト後の振り返りを固定化すると運用が回ります。たとえば上司は次の3つだけ聞きます。「①今回、会議で困った瞬間はどこ?②その原因は“聞き取り・定型表現・言い換え”のどれ?③次の2週間で何をやる?」。質問が固定されると、面談が英語の雑談で終わらず、改善が積み上がります。
最短で伸ばす学習設計|TOEICとVERSANTを“うまく使い分ける”
一文要約:最短ルートは「聞き取り速度→定型表現→言い換え・要点整理」の順で鍛え、テストで確認することです。
ここからは、本人が今日から動ける学習設計です。管理職が部下に渡す“やることの地図”としても使えます。ポイントは、伸びる順番を守り、短い改善ループを回すことです。
伸びる順番:聞き取り速度→定型表現→言い換え・要点整理
最初に上げたいのは聞き取りの処理速度です。相手の英語が入ってこないと、返答の質は上がりません。次に、会議で頻出の定型表現を固めます。「確認させてください」「前提をそろえたい」「結論から言うと」のような型があると、発話が止まりにくいです。最後に、言い換えと要点整理です。ここができると議論の主導権を取りやすくなります。TOEICは土台の進捗確認に、VERSANTは運用の詰まりを発見するのに向きます。
トレーニング例:シャドーイング/即答練習/ロールプレイ
聞き取り速度にはシャドーイングが有効です。音を追いながら意味を取る練習を、短い素材で毎日回します。即答力には、質問に対して10秒以内に「結論→理由→補足」で答える練習が効きます。ロールプレイは、実務の場面をそのまま再現し、商談なら条件交渉、会議なら反対意見への返答を練習します。ここで重要なのは、毎回「詰まった原因」を言語化し、次の1週間の焦点を1つに絞ることです。
独学・研修・英語コーチングの使い分け:短期で成果を出す条件
独学が向くのは、弱点がはっきりしていて、自分で計画を守れる人です。研修が向くのは、共通言語としての底上げを組織的に進めたい場合です。短期で成果を出したいのに独学で迷子になりやすい人は、英語コーチングのように「課題分析→学習設計→行動管理→改善」の伴走があると、改善サイクルが回りやすくなります。特に外資環境では、会議の頻度が高い分、運用の課題が毎週出ます。ここを放置せず、次の会議までに一点突破する設計ができるかが勝負です。
よくある質問
Q1. TOEICが高ければ、VERSANTは受けなくていいですか?
A. 目的次第です。採用や異動の目安ならTOEICが機能しますが、会議での即答や商談の切り返しを評価したいなら、VERSANTのほうが運用面の弱点が見えやすいことがあります。
Q2. VERSANTのスコアは何点を目標にすべきですか?
A. まずは「どの場面で何ができるようになりたいか」を決めるのが先です。スコアは目安として使い、会議なら返答までの時間や発言量など業務行動とセットで目標を置くとブレません。
Q3. 受験の頻度はどれくらいが適切ですか?
A. 学習が回っているなら、四半期ごと(3カ月)に一度の計測が現実的です。短期集中の施策なら、開始前と終了後の2回でも効果測定になります。
Q4. 忙しくて勉強時間が取れません。何からやればいいですか?
A. まずは「会議で使う定型表現」を10個に絞り、毎日声に出すのが最短です。次に、2〜3分の短い音源でシャドーイングを継続し、聞き取り速度を上げます。
Q5. 管理職として、部下の英語評価で失敗しないコツは?
A. スコアだけで決めず、TOEIC(基礎)+VERSANT(運用)+業務行動(実践)の3点セットで見ることです。振り返り質問を固定化すると、育成が属人化しにくくなります。
まとめ
- TOEIC VERSANT 違いは「土台(聞く・読む)」と「運用(聞いて話す)」の違いで理解すると速い
- VERSANT 重視 理由は、会議で差がつく処理速度や即応性が数値に表れやすく、短時間で運用しやすい点
- 管理職の評価は、TOEIC+VERSANT+業務行動の3点セットでズレを減らす
- 学習は「聞き取り速度→定型表現→言い換え・要点整理」の順で、改善サイクルを短く回す
会議や商談での詰まり方がはっきりしない場合は、現状の会議ログ(困った瞬間)を持って学習設計を見直すのが近道です。短期で成果を出したいなら、無料カウンセリング等で第三者に弱点を可視化してもらい、次の2週間の一点突破から始めてみてください。

